花谷 淳大阪・天王寺の白髪ぼかし美容師
解説・花谷淳

白髪染めで透明感が出ない理由は「ブラウン」

大阪・天王寺WORLD ORDERの花谷淳です。

「白髪染めをすると、どうしても重たく見える」「雑誌で見るような透明感のある色にならない」。カウンセリングで本当によく聞くお悩みです。

その原因の多くは、色の名前でも、美容室の腕前だけでもありません。私は「ブラウン」の量だと考えています。今回は、透明感とブラウンの関係を、できるだけやさしくお話しします。

そもそも、髪の「ブラウン」って何?

日本人の黒髪は、真っ黒に見えても、実は赤褐色(赤みのある茶色)のブラウンの色素でできています。髪を明るくするということは、このブラウンの色素を減らしていくということです。

一方で、白髪にはブラウンの色素が入っていません。色味のない、いわば真っ白なパレットです。だからこそ白髪には、

という3つの魅力があります(詳しくは「白髪の3つの魅力」で書いています)。

白髪染めで透明感が出にくいのはなぜ?

白髪染めは、白髪と黒髪の色の差を1色にそろえるためのカラーです。白髪は色素がなくてもキューティクル(髪の表面を覆う、うろこ状の膜)がしっかりしているので、実は染まりにくい髪です。そこで白髪染めは、強めのアルカリでキューティクルをしっかり開き、高濃度のブラウンを入れて、白髪を黒髪と同じ色に塗りつぶします。

ここがポイントです。私が教材でいつも伝えているのは、

「透明感の天敵は、高濃度のブラウン」

ということ。ブラウンをたくさん入れるほど、髪は暗く、重たく見えます。せっかく白髪が持っている透明感も、濃いブラウンで消えてしまうのです。

白髪染めを続けていて感じやすい「ごわつき」「透明感がない」「明るくできない」「ツヤがない」「赤っぽくなる」「白髪の境目が目立つ」といったお悩みも、この「濃いブラウンで1色にする」仕組みと深く関係しています。

ブラウンを減らすと、どう変わる?

私が大切にしているのがブラウンコントロールという考え方です。

つまり、ブラウンの量は「透明感のつまみ」のようなもの。花谷式の白髪活かしカラーでは、白髪に入れるブラウン量を10〜30%以内に抑えて、白髪の透明感をできるだけ残します。

また、白髪の割合(白髪率)が高い方ほど、合わせるブラウンは少なくてすみます。たとえば白髪率70%の方なら、目安のブラウン量は約30%。ご自分の白髪率がわからない方は「白髪率とは?自分の白髪率の見方」も参考にしてください。

ブラウンは少なければ少ないほどいいの?

実は、そうとも限りません。毛先の色に対して根元のブラウンが少なすぎると、白髪だけが浮いて見えてしまうことがあります。これはブラウンコントロールでよくある失敗です。

特に、これまで濃い白髪染めをしてきた髪は、毛先にブラウンがたくさん残っています。そこへいきなりブラウンの少ないカラーをすると、根元だけ明るく浮いてしまいます。

そのため私は、

というように、根元と毛先のバランスを見ながら、来店ごとに少しずつブラウンを減らしていきます。ブリーチをしたくない方や、髪のダメージでブリーチが難しい方には、ハイライトを入れずに、新しく生えた部分だけブラウン量を減らして育てていく方法もあります。

いきなり全部を変えるのではなく、段階的に。これが、白髪染めから透明感のある色へ移るときのコツです。進め方は「白髪染めをやめたい人へ。脱白髪染めの進め方」や「ブリーチ卒業とは?」でも詳しく書いています。

透明感を出したい人が、まず美容師に伝えたいこと

カウンセリングでは、次のことを教えていただけると、ブラウンの量を決めやすくなります。

  1. これまでのカラー履歴(白髪染めをどのくらいの期間、どのくらいの頻度でしてきたか)
  2. 気になる白髪の場所(分け目、顔まわり、表面など)
  3. なりたい明るさと雰囲気(白髪をしっかりなじませたいか、少し見せてもいいか)
  4. 来店できるペース

「透明感が欲しい」という言葉の裏には、人それぞれの理想があります。そこをていねいにすり合わせてから、ブラウンの量を決めていきます。

よくある質問

Q. 白髪染めをやめれば、すぐに透明感が出ますか?

A. 根元から新しく生えてくる部分は、濃いブラウンを入れなければ透明感を出しやすくなります。ただ、毛先にはこれまでの白髪染めのブラウンが残っているため、全体が一度に変わるわけではありません。ハイライトなどで毛先側のブラウンを少しずつ減らしながら、来店ごとに整えていくのがおすすめです。

Q. ブラウンを減らすと、白髪が目立ちませんか?

A. ブラウンを減らしすぎると、白髪が浮いて見えることはあります。だからこそ、白髪率や毛先の色に合わせて「どこまで減らすか」を決めることが大切です。白髪を消すのではなく、なじませながら透明感を活かす。それがブラウンコントロールの考え方です。